スザクも学園に大分慣れ始めた頃、シャーリーがスザクに向かってこう聞いた……
「スザクくんは気になる女の子居ないの?」
シャーリーは明るく、面倒見も良い。
名誉ブリタニア人であるスザクにも、差別無く接する。
だからそれなりにスザクとも喋ったり、一緒に行動するメンバーに入って居たりした。
女の子はその手の話が大好きだ。
次の授業の準備をしながらスザクは答える。
「好きな子は居ないよ」
しかし、そう言ったスザクの頬はほんのりと色付き始めている。
居ないと言いつつも、想い人の事を思い出したのだろうか?
そんなに想い人は大切なのか…
どんな娘だろうか。
スザクは可愛い方が好きなのか?
美人な方が好きなのか?
スザクの好みさえ知らずに、彼を何時しか目で追うほど気にしている自分が痛い。
「あ、その顔は居るんでしょ、好きな子」
シャーリーがニヤリとしてスザクに微笑みかけた。
「あ、あの…いや……何と言うかその……」
シャーリーの言葉が図星だったのか、スザクの顔が更に紅くなる。
憎らしい…
スザクにそんな顔をさせられる相手が憎らしく思う。
自分ではさせられないスザクの表情。
奪えるものなら奪いたい。
その為に誰かを犠牲にしたって構わない。
スザクが手に入るのならば、それでいい…
=END=
**あとがき**
実はこれ、スザクが紅くなった理由はルルの事を考えたから。
ルルとは実は両想いなのにすれ違いで☆
06.11.04